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世界を変えた起業家、教育者、俳優、映画監督。豪華な12人が、イェール、MITなどの卒業生へ向けたスピーチを収録した本が『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』だ。Amazon創業者 ジェフ・ベゾスグーグル創業者 ラリー・ペイジヤフー!創業者 ジェリー・ヤンツイッターCEO ディック・コストロフェイスブックCOO シェリル・サンドバーグカーンアカデミー創設者 サルマン・カーン映画監督 マーティン・スコセッシ俳優 メリル・ストリープ俳優 トム・ハンクスなどなど。凄いメンバーである。“いま、世界に君臨する12人を豪華ラインナップ、十年に一度ともいうべき「金言集」!”と惹句に力が入っているのもうなずける。それぞれバラエティ豊かな渾身のスピーチだが、成功者が話すキーを3つの法則にまとめて紹介しよう。巨大な夢をつかむための3つの鍵だ。第一の鍵【自分で決断せよ】“結局のところ、私たちの「選択」こそが私たち自身を形づくっていくのです。”(ジェフ・ベゾス)まず決断するのは自分だ、ということだ。ひとの意見を聞くことも大切。だが、最後の決断は自分ですること。「それは素晴らしいアイデアだね。でもそれは、今、良い就職先が見つかってない人がする仕事では?」と上司に言われ、それに従っていたらAmazonはなかった。ジェフ・ベゾスが「今、挑戦するときだ」と自分で決断しなければ、創業者として大きな夢をつかんだ彼はなかっただろう。TwitterCEOディック・コストロは語る。“自分の行動を他人に決めてもらうのが習慣になったら、人生というステージの上で、ただ立ち尽くすしかないでしょう。次の動きを自分で決められないからです。与えられた役柄を忠実に演じようとする人は、不測の事態に対応できません。”第二の鍵【大胆に大きく】“あまりにもスケールの大きすぎる夢のほうが実現しやすいと思います。”グーグル創業者ラリー・ペイジが言う。壮大すぎるクレイジーな夢に向かって本気で行動する人はめったいにいないから、競争が激しくないのだ。同じクレイジーな人が出会えば、競争じゃなく同じ方向に動く。“常に大きなことに挑戦したいと思うのが一流の人間です。そういう一流の人間が集まって、誕生したのがグーグルです。”ジェフ・ベゾスも言う。“冒険するのをやめますか? それとも、ちょっと向こう見ずなこともやってみますか?”TwitterCEOディック・コストロは恩師の言葉を胸に刻んでいる。“君たち、もっと大胆な設定を選びなさい。リスクをとって冒険しなさい”。フェイスブックCEOシェリル・サンドバーグは、偉大なる起業家と共に仕事していくなかでこう教わったと言う。“世界を本気で変えたいと思ったら、その日から大きな夢を持て”。そして“私がまずアドバイスしたいのは、「大きく変えてください」ということです”。第三の鍵【変化を恐れるな】最後のキーが「変化を恐れるな」だ。アリババ・グループ創業者ジャック・マーは「変化を歓迎してください」とアドバイスし、“最も成功しているときに、それまでのやり方を変えること”がベストだと言う。バークシャー・ハサウェイ副会長のチャールズ・マンガーは、“投資方針は、「この10年間で得たスキルは、次の10年間には通用しない」”であり、良い結果が出ていても、そうだと力説する。Amazon創業者ジェフ・ベゾス“惰性で人生を生きますか? それとも、本当に好きなことをやりますか?”グーグル創業者ラリー・ペイジ“私たちは世界を変えるために何をしたらいいのでしょうか? 一言でいえば、“楽ではないけれどワクワクすること”に常に挑戦することです”。『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』は、もちろん成功の秘訣をつかむために読んでもかまわないが、それだけではもったいない多彩な魅力的な名スピーチが集まっている。電子機器の電源は……切らないで、どんどん録画して撮影してメールやTwitterで拡散してくださいと言うトム・ハンクス。高校時代にぶりっこを演じていたのが映画「ディア・ハンター」のリンダ役に役立ったというエピソードを暴露するメリル・ストリープ。集学的に考える方法を説くチャールズ・マンガー。コメディアンになる夢を持っていたことを語るTwitterCEOディック・コストロ。アーサー・C・クラークの「高度に発達した科学は、魔法と区別がつかない」という名言からはじめるテラスモーターズ創業者イーロン・マスク。スピーチを文字で読んだら、ぜひ動画を探して観てみることをオススメ。歓声や笑い声が入って、臨場感、ライブ感が伝わってくる。文字だけで読むよりダイレクトに響く言葉になる。(米光一成)