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私がサイババを知ったキッカケは『ムー』が86年に出版した『世界ミステリー人物大事典』という別冊である。サイババは巻頭カラーページで取り上げられていたのだが、私の第一印象は聖者というより「アフロヘアの陽気そうなオジさん」であり、しかも「インド≒うさんくさい」という偏見も手伝って、その時は歯牙にもかけなかった。そういうわけで、私がサイババに"目覚める"には94年まで待たねばならなかった。 周知の通り、この頃、理化学博士である青山圭秀氏が著作で取り上げたことが契機となり、サイババが突然日本で"ブレイク"する。『理性のゆらぎ』や『アガスティアの葉』といった青山氏の一連の著作はミリオンセラーとなり、当時ちょっとしたサイババブームを巻き起こした。 テレビ局も何本かの特番を組み、中には「サイババのトリックを暴く」という趣旨のものもあった。実際、誰であれ指輪やビブーティ神聖灰)などを思うままに物質化できるとすれば、世間の好奇の目は免れない。その際のサイババの「怪しい手の動き」はユーチューブでも見ることができる。 ...