驚きの指先サイズ 超小型スピーカー

スピーカーはもともと高度な工芸品でもある。最良な形の木の箱の中で音を響かせて出力する、音楽を楽しむ際に最も音質に影響するパーツのひとつ。だから、それを小型化するだけでも、その凝縮感は強烈だ。かつてオーディオの世界で大流行したブックシェルフ型スピーカー「NS-10M」は、その代表的なモデルと言えるだろう。 しかし、凝縮感だけで言えば、この超小型ステレオスピーカー「トゥインター」に勝るものはない。もう断言できる。何といっても指先サイズである。それなのにスピーカーが2基、しかもお互いの音がそれぞれに干渉しないように、内部でしっかりとセパレートされている。さらに、スピーカー前面を覆う扉を開けば、出力される左右の音が混ざらないようにするための壁になる。 このスピーカー使用時の、扉を開く操作が抜群に気持ちいいのだ。マグネットで留められた精緻な作りの扉を開く時の「カチッ」という音と、ほんの少し重々しささえ感じさせる扉を開く手応えが堪らない。それは、かつてステレオセットやテレビに何故か付けられていた観音開きの扉を思い出させる。音楽を聴くという行為がとても贅沢なものだった往時の記憶が一緒に甦るような感覚さえある。 ...