【台北時事】台湾の若者が制作した台湾近現代史を紹介するアニメ動画「台湾BAR(バー)」がネットで人気を呼んでいる。日本統治、国民党一党支配、民主化を経て、現在に至る約100年の歩みを若者の視点からユーモアを交えて描いた。動画サイト「ユーチューブ」で600万回以上再生された。 動画には、かわいらしい動物のキャラクターとともに、台湾総督を務めた樺山資紀、児玉源太郎や蒋介石元総統ら歴史上の人物が登場。軽快な音楽が流れる中、ジョークを交えた早口のナレーションで近現代史の要点を分かりやすく解説している。日本アニメの影響も随所にうかがえ、一部場面では日本語が使われている。1話の放映時間は約10分で、6月に公開する第8話で完結する。 再生回数が最も多いのは、中国大陸から渡ってきた国民党政権が本省人(台湾出身者)を武力弾圧した、1947年2月の「二・二八事件」を取り上げた第5話。一部から「加害者である国民党の存在を隠している」といった批判を浴び、その歴史観をめぐって物議を醸した。 制作した謝政豪さん(24)ら4人はいずれも87年の戒厳令解除後に生まれ、学校で「台湾史」を学んだ世代。謝さんは「賛否はあるが、議論の材料を提供することが目的だ」と述べ、台湾バーをきっかけに歴史論争が盛り上がることを期待している。 ...
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