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ミステリーサークル、正体が判明!?

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image: Jen Guyton ミステリーサークルを作り出した犯人は、生存競争を勝ち残ろうとする2つの生物でした。 この10年間、科学者たちを悩ませ続けてきたある謎がナミブ砂漠にありました。それは「フェアリーサークル」と呼ばれるミステリーサークルです。その正体はこれまで超常現象の類から毒ガス、地中に潜む昆虫などと類推されてきましたが、新たな研究結果により原因が判明しました。 ・科学的なミステリーサークル? 芝に好きな絵を描けるマシン Natureに掲載された新たな研究によると、ナミビア砂漠に点在するフェアリーサークルはある2つの生態的な力によって作り出されているそうです。それはシロアリと自己組織化する植物(養分を求め分散、群生する植物)です。研究を行なったプリンストン大学や、ストラスクライド大学などの研究者たちは、野外観測とコンピュータモデリングから、このミステリーサークルの原因がその2つの生物の相互作用だと主張しています。さらに、この新たな仮説は世界中の同様のミステリーを解決するかもしれません。 image: Jen Guyton ナミビアのフェアリーサークルは草原と砂漠が交差する場所で発見されました。草原の中に草が生えていない土壌がむき出しになった六角形状の部分があり、その周りにだけ高草が生え、ミステリーサークルを作り出します。その大きさは幅2mから、35mになるものまであり、数百万ものサークルが砂漠に広がっているのです。 その謎を解明しようと、これまで数多くの仮説が立てられてきました。自己組織化する植物説や、草を食べるアリ、地中に棲むシロアリ、毒を持つ灌木、地中から漏れ出した一酸化炭素などの毒ガスなど。地元民にいたっては超常現象だという者もいます。しかしその中でも、草の根を食べるシロアリと、自己組織化する植物が有力な説だと考えられてきました。 これまでのシロアリ説は、プサモテルメス(Psammotermes allocerus)と呼ばれるシロアリの一種が植物を食べることによって土壌がむき出しになり、サークルができるとする説です。シロアリたちはそうすることで、その部分に雨水などを貯めているというのです。しかしこの説だけでは、なぜ周りの植物だけが背が高いのか説明がつきませんでした。 もう一つの植物説は、植物同士の生存競争と、水分に恵まれないこのエリアの植物は独特な生長パターンを持つ、という観測結果に基づいていました。ナミビアのこの地域はちょうど砂漠と草原の境目で、十分な水が得られません。そのためそこに育つ植物は水分を求める競争を強いられ、何kmも広がることができるような独特の生長パターンを構築したと考える説です。しかしこの説では、なぜフェアリーサークルが出現した後に無くなったり、似たような環境の別の場所では発生しないのかを説明することができませんでした。 そのため、それぞれの説を主張する研究者たちは何年もの間、熱い議論をたたかわせ、お互いの研究の弱点を指摘し合ってきました。 image: Jen Guyton しかし面白いことに、それら2つの説が組み合わさることで、十分な説明ができることがわかったのです。 ストラスクライド大学の准教授で今回の新たな研究論文の共同執筆者でもあるJuan A. Bonachela氏は「シロアリ説と自己組織化する植物説を組み合わせたときに、初めてフェアリーサークルのすべての特性を説明することができるのです。この相入れないと思われていた2つの説によって、どのようにこのシステムが生みだされるのか、納得のいく説明ができます」と語っています。その鍵となるのは自然界の相互作用の理解です。 新たな説はこうです。まずシロアリが植物を食べて土壌をむき出しにします。それにより、シロアリが生きるために必要不可欠な水分が地中に蓄積されます。周辺の植物はその下にプラスチックのような根を伸ばし、水分の恩恵を得て背高く育ちます。この水分を求めた激しい生存競争の中で、このようにパターン化されたフェアリーサークルが生み出されるのです。つまり植物とシロアリのコロニーが一種の共存関係になることで網目模様のオアシスが作られているのです。 image: Tyler Coverdale 研究者たちはさらにコンピュータシミュレーションを用いてこの生態系を再現することにも成功しています。 ボナチェラ准教授は米Gizmodoに「そのコンピュータモデルのおかげで、その生態系が他の条件においてどのような結果になるのかも、シミュレーションすることができる」と答えています。「例えばシロアリが存在していない場合や、気候状況が全く異なった場合などの反応を比較することもできるのです」 そのシミュレーションによると、シロアリの存在がその生態系を強固なものにしています。雨が少ない時期にもサークルの周りの植物は存続することができるし、長い干ばつなどの環境的ストレスからもより早く回復することができるのです。 また素晴らしいことに、この研究結果は世界各国の同様な現象の謎を解き明かすかもしれません。北アメリカのMima Moundsや、ブラジルのMurundus、南アフリカのHeuweltjies、オーストラリアのフェアリーサークルなどです。 もちろんすべての現象にすぐさま当てはまるとは限りません。しかし今回の研究結果は他の研究者たちにとっても良い例となりました。それは個々の研究者たちは素晴らしい研究をしており、その研究結果を統合することによって今まで説明がつかなかった現象が解明できるかもしれないということなのです。 top image: Jen Guyton source: Nature 参考: Gizmodo io9 1, 2, UW Faculty , JSTOR , Heuweltjies - Wikipedia、Gizmodo US George Dvorsky - Gizmodo US[原文] (Shun)

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