【エルサレム時事】「一日中、目的もなく(戦車から)撃っていた」。イスラエル軍の退役軍人らから、昨夏のパレスチナ自治区ガザでの無差別攻撃と無意味なパレスチナ市民殺害を告発する声が上がっている。 告発したのは退役軍人で組織した団体「ブレイキング・ザ・サイレンス」。実際に戦闘に参加した兵士60人以上から匿名で証言を集め、4日付で厚い報告書を公表した。 戦車からの無差別砲撃を告白した装甲部隊の兵士は「(ガザを支配するイスラム原理主義組織)ハマスはどこにも見えなかった」と証言。前線近くを携帯電話で話しながら歩いていた女性2人が殺害された場面について説明した歩兵は、遺体を確認したら「非武装だった」と振り返った。しかし「(その後、軍は犠牲者を)テロリストに分類した」と民間人殺害を隠蔽(いんぺい)した軍を非難している。 報告書は、軍の曖昧な交戦規定を批判。「市民の犠牲を払っても、軍のリスクを最小化する」という軍高民低の意識が露骨に貫かれたと指摘し、「軍の倫理への強い疑念」を投げ掛けた。 これに対し、イスラエル軍は「兵士らの主張の証拠が提示されていない」と報告書の信ぴょう性を追及。作戦終了後、軍による調査が行われており、兵士や司令官はその際、申し立てをする機会が与えられていたと反論している。 ...
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