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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月28日、通信が途絶えて制御不能となっていたX線天文衛星「ひとみ」の復旧を断念したことを発表した。その「ひとみ」がトラブルを起こす前に行った最後のアクションは、「活動銀河核」と呼ばれる天体の観測のための姿勢変更運用であった。 ひときわ明るい光を放つ活動銀河核からは膨大なエネルギーが放出されているのだが、その特殊な環境が今注目を浴び始めている。先月18日、学術誌に掲載される論文をいち早く公開するプレプリントサーバサイト「arXiv」で公開された論文によると、この活動銀河核に「ワームホール」生成の鍵が隠されているらしいのだ。 【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/05/post_9660.html】 ■ワームホールの生成には負のエネルギーが必要 論文を発表したのは、ランカスター大学で物理学の研究を行っているコンスタンティノス・ディモポウロス博士だ。彼によると、宇宙にあまねく存在しているとされる謎の物質「ダークマター(暗黒物質)」の正体が「アクシオン」という仮説上の素粒子であるならば、活動銀河核の周辺にワームホールが存在する可能性があるのだという。 ...