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大相撲夏場所3日目(10日、両国国技館、観衆=1万113)幕内前半戦で、今場所から厳格化された立ち合いの手つきが不十分と判断された取組が相次ぎ、異例の取り直しが行われる場面もあった。平幕逸ノ城(23)は横綱日馬富士(32)を寄り切って、3個目の金星。綱とりがかかる大関稀勢の里(29)は平幕正代(24)を押し出して3連勝。横綱白鵬(31)、横綱鶴竜(30)も3連勝とした。 土俵下で目を光らせる審判長の視線が、険しくなる。幕内前半戦。正面審判長席に座った友綱審判部副部長(元関脇魁輝)の右腕が激しく揺れ動いた。 鋭く踏み込んだ大栄翔が、もろはず一気にエジプト出身の大砂嵐を押し出した。勝ち名乗りを待っていた大栄翔に、行司木村寿之介の思わぬ声が飛び込んできた。 「この勝負、取り直しにござります」 土俵下の友綱審判長から説明の声が飛ぶ。「向こう(大砂嵐)の手つき不十分だ」。立ち合いが不成立とされたのだ。立ち合った瞬間、同審判長が真っ先に手を挙げたが、行司は気づかず、周囲の審判も大きな声を発せず、取組が進行してしまった。取り直しの一番で寄り倒された大栄翔は「もう一番といわれても、分からなかった」。勝った大砂嵐も「ラッキーとかラッキーじゃない、ではない」。 ...